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【英語学習】「英語多読 すべての悩みは量が解決する!」はおススメできるか?

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」繁村一義著、酒井邦秀監修を読ませていただきました。こちらの作品を元英会話講師目線で要約・感想・おすすめできるのか?をまとめていきます。

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この記事を読むことで、「英語多読 すべての悩みは量が解決する!」で伝えたいこと、どのような方向けの学習法なのかを理解できるようになっています。

■ 本記事作成者プロフィール

・1年のワーホリ留学で英会話講師になった。

・英会話のイーオンで講師をし、教務主任をやっていた。

・TOEIC945点

・英検準1級

・TESOL

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」レビュー

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」著者プロフィール

まずは、著者である繁村一義氏、酒井邦秀氏のプロフィール紹介です。

【繁村一義氏プロフィール】                          ・NPO 多言語多読理事/日本多読学会監事/NPO SSS英語多読研究会監事

◆20歳頃までは、英語は超がつくほどの苦手。疑いながら始めた多読に救われ、今では多

読を楽しみつつ、さまざまな多読普及活動をしている社会人。(NPO多言語多読HPより)

【酒井邦秀氏プロフィール】                           1945年生まれ。一橋大学社会学部博士課程中退。現在、電気通信大学准教授。英米児童文学・英語教育専攻。日本の英語教育のありかたに疑問を投げかけ、こどもからおとなまで幅広い人びとに多読指導を行なっている。著書に『どうして英語が使えない?』『快読100万語! ペーパーバックへの道』(以上、ちくま学芸文庫)、『教室で読む英語100万語』(共著、大修館書店)、『大人の英語多読入門』(監修、コスモピア)などが、訳書にE.ネズビット『よい子連盟』(国土社)などがある。(筑摩書房HPより)

繁村氏は「20歳頃までは、英語は超がつくほどの苦手」で、「多読に救われた」というのが注目点ですね!

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」をおススメする人

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まず結論としてこの「英語多読 すべての悩みは量が解決する!」は、

「長期スパンで本質的な英語力を身につけたい人にはおススメ!」

です。

具体的には以下の通りです。

【おススメの人】

  • 英語を本質的に身につけたい人
  • 楽しみながら英語を身につけたい人
  • 長期間で英語に関わっていきたい人
  • 英語習得に緊急性がない人
  • 感覚的な学習を得意とする人

【おススメでない人】

  • 論理的に学びたい人
  • 短期間での結果を求める人
  • 疑り深い人

今回の分け方は抽象的になってしまいましたが、以下読み進めていただければ理解できるかと思います。

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」要約

第1章 これまでの英語学習は間違えだらけ

この章ではこれまでの学校教育における学習法の問題点とそれに対して多読がいかに優れているかが書かれています。

著者が訴えているのは大きく分けて以下の3つ。

①これまでの英語学習は「量が圧倒的に足りない」「質が極めて低い」。それを補うことができるのが多読である。

②特に多読は「質」がこれまでの英語学習と大きく異なり、多読によって「生きた本物の英語」を身につけることができる。

③そして何よりも多読は「楽しい!」。「多読三原則」(第3章にて後述)というのを設けて多読を行うことで、「自分がやりたいこと、楽しいと感じることしかしない」で英語力を身につけていくことができるのである。

第2章 多読にはどんな効果があるのか

第2章では、実際に多読で英語学習を行ったモデルを紹介しており、「始めて数週間後」や「半年~2年後」、「それ以降」などに現れる効果をを確認することができます。

また、それを踏まえて多読に関するQ&A。

例)英語が苦手で英語力0ですが大丈夫ですか?→英語力0でも大丈夫。

  多読では何も覚えなくていいのですか?→多読は暗記を必要としません。

  語学の才能がないのですが・・?→まっとうな道(多読)を行けば、母語よりも短期間で身に付く。

上記のような悩みを具体性を持って簡潔に答えてくれています。

そしてこの章で強調されていたのが、「多読の道は、ゆっくり登る広い坂道」というものでした。多読は険しい道ではなく、ピクニック気分で坂を登っていくことができるものであると。

第3章「多読」を可能にする3つの原則

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多読三原則というのは、第1,2章でも何度も出てくるのですが、この第3章で丁寧にその原則を紹介しています。

【多読三原則】                                  ①辞書は捨てる                                  ②わからないところは飛ばす                            ③合わないと思ったら投げる

【多読三原則】①辞書は捨てる

この原則は、「英語の本を読み続けるのに苦労する理由は、わからない単語が出てくるたびに辞書を引くからである。」という考えに基づいています。

確かに、日本語の本を読むときに、多少わからない単語があっても文脈から推測できたりして辞書は引かないですよね?

このように読み進めていこうというのが、「多読三原則①辞書は捨てる」なのです。

「そんなの、わからない英単語ばかりでは推測もできないじゃないか!」と思いますよね。

それに対する回答は、「最初のステップは辞書を引かなくても済むような、簡単な言葉で書かれた本を読む!」というものでした。

なのでまずは、1ページに付き1行かそれ以下の絵本から読み始めることを著者はススメています。

【多読三原則】②わからないところは飛ばす

やさしい本で読み始めたとしても、必ず知らない単語に出くわすときがくるでしょう。その時に使うのが「多読三原則②わからないところは飛ばす」です。

この原則は徹底する必要があり、わからないところは推測もせず、戻り読みもすることなく、どんどん先に読み進めていくように著者はススメています。

「そんなこと繰り返してると話が全くわからなくなるのでは?」という疑問がもちろん出てきますが、そこで出てくるのが「多読三原則③」となってきます。

【多読三原則】③合わないと思ったら投げる

最後の「多読三原則③合わないと思ったら投げる」はもう究極の荒業で、話がわからなくなったり、つまらないと思ってきたらもう投げ出してしまえというものです。

途中で辞めることを嫌がるのが日本人の良いところではあるのですが、多読においてはどんどん切り替えていくことを著者はススメています。

そうしていくうちに、さらさら読めてしまう本や最後まで楽しめるドラマが必ず現れると考えているのです。

何よりも「楽しむ」とうことにフォーカスして、この「多読三原則」が構成されています。

第4章「多読」の始め方

第4章では具体的な「多読」のステップを紹介してくれているので、ぜひ書籍を手に取って確認していただきたいです。簡潔にステップを述べておくと以下のようになります。

  1. 本を選ぶ
  2. 絵を読む
  3. 文字を読む
  4. 音と一緒に読む
  5. スラスラと読んで楽しむ
  6. 読む本の範囲を広げていく
王道のやり方に違和感がある人へ

先述したように、「多読」の最初のステップは絵本から始まります。ただ、「絵本というのはちょっとな・・・」という方もいると思います。

そういう意見の方に対しては、以下のものもおススメしています。

  1. ノンフィクション(子供向け)から探す
  2. 漫画を読んでみる
  3. 英語を学ぶ人向けに作られたレベル別の本を使う

※ここでいう子供向けノンフィクションとは、子供向けの歴史や科学書のことです。

第5章 読むから観る、聴く、話す、書くへ

第1~4章を読んできて思うことは、「多読ってリーディング力は上がりそうだけど、肝心のリスニングやスピーキングも伸びるの?」ということだと思います。

これに対する著者の主張は、「「多読は」リスニング、スピーキング、ライティングにも十分効果があります。」というものでした。

その理由を第5章で紹介しています。

「観る」「聴く」に関しては、「多読三原則」①辞書を引かない②わからないところは飛ばす③合わないと思ったら投げる を活かすことで伸ばしていくことができると著者は考えています。

「話す」「書く」に関しても、やはり多量のアウトプットで伸ばすことができるというのが著者の主張です。

第6章 自分に合った素材を探す方法

第6章では「多読」に当たって自分に合った素材を探す方法を紹介しており、具体的なサイトも紹介しています。

  1. やさしい絵本ーOxford Owl
  2. 子供向けアニメーShaun the SheepYoutube
  3. 子供向けアニメーPeppa PigYoutube
  4. BBCの幼児向けチャンネルーCBeebies

などなど。紹介されているものを全部制覇するだけでもかなり英語力を伸ばすことができそうです。

第7,8章 「多読」に関するQ&A

最後の第7,8章では「多読」に関する悩みや疑問点をQ&A形式で回答してくれています。

英語多読 すべての悩みは量が解決する!」感想

ここからは私の感想です。

感想

正直に申し上げますと、「英語多読 すべての悩みは量が解決する!」については「う~ん・・・」というもどかしさが残りました。

まず何より「楽しむ」ことを大事にしているところは好感が持てます。また、「大量の英語に触れる」というのも同感です。

本質的な英語力を身につけるという意味では非常に有効な方法だと思います。ですので、生涯学習としての英語や子供と一緒に長期で英語を身につけたい人にはおススメです。

一方で、英語を苦手としてる人にとって「多読」の勉強方法は成長の結果がなかなか見えないという部分で継続を難しくさせるように感じました。

結果を早く求める方ももちろん同様です。

この「多読」という勉強方法、意見が真っ二つに分かれそうですね。

ぜひ、みなさんのご意見もお伺いしたいです。

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